加水分解とは?

問い合わせの多い加水分解。 実は欠陥、大きな商品クレーム。

加水分解に関する問い合わせが継続的にあります。 弊社のスーパーソフトレザーシリーズでは、加水分解対策がされており、近年クレームの無かった品質問題ですので、今までは、Q&Aのコーナー等で見てもらう程度でした。 しかし、某巨大家具チェーン店やインテリアショップなどのオリジナル輸入家具を、1-3年前に購入した消費者さんから、表面がボロボロになったり、ドロドロになったりする質問が非常多いので、まず、検索してもらいクレーム対象であることを知っていただく目的で、ページを独立させました。 同様に、バイヤーさんからの相談や検索や試験依頼も多く、知ってそうで知らない実態に困惑しております。 化学はプロ中のプロの世界であることを、良くご理解いただきたく思います。
*日本人の技術者が関わっているから大丈夫、という海外製PUを見かけますが、残念ながら、弊社の家具用の加水分解テストに合格したものがありません。 安く販売されているので、10年も使わない用途だという話でしょう。 用途に応じて、加水分解が早く起きても良い、という見解があっての商品について、弊社からコメントは御座いません。
*あらゆる事情のあらゆる業者様へ、弊社では、試験片の持ち込みウェルカムです。 弊社にて、無料で加水分解試験をして結果を差し上げます。

Download 加水分解のチラシ

簡単なチラシをダウンロードいただけます。 リンクを用意しました。: 加水分解チラシ 弊社の椅子張り地の専門部隊であるイズライフ事業部が作成したものです。

Q&A から抜粋

基本的な知識として、下記をQ&Aから抜粋しました。 参考にして下さい。 基本的にレザーにはPVC製(塩ビ樹脂でつくったもの)とPU製(ポリウレタン樹脂でつくったもの)があり、安価で技術力のない国で作られたPU製レザーを張った椅子やソファで、加水分解という現象が起こります。 弊社のスーパーソフトレザー(PU製)は、数十年かけて品質レベルを積み上げた国内の化学技術。 10年でも分解しない構造ですので、安心してお使いいただけます。

質問例: こんな電話が掛かってきました。 どう答えましょう。 お客さん:「ある家具屋で買って、1-2年使用していたソファがボロボロ(又はベトベト)になって。 安かったので、こんなものかなと思って。 おたくで買っても、同じようになるわよね。 カバーをかけても、カバーにくっつくので、厄介だから。」

Answer: 弊社の家具用でしたら、1-2年でなりません。 前置きとして、 合成皮革は、資材業界ではPU(ポリウレタン)樹脂性の高級品を指しますが、家具業界ではPVC(塩ビ)レザーを合成皮革とうたっている例が後を絶ちませんので、質問の意図が理解されない事があるのでご注意ください。 べトベト、ボロボロ現象は、PU(ポリウレタン)樹脂のレザー=合成皮革で起こる現象です。 塩化ビニル=一般レザーであれば、逆に硬くなるカチカチ、ボロボロ現象ですので、樹脂の特性から在りえない現象です。 高級な本革では、トップ層でウレタン樹脂が使われることがありますが、被膜がとても薄く、同じ現象でも皮が剥けたようになります。 この場合、トップが薄いので、劣化と気が付かないこともありますが、剥がれた後は急速に革が痛むので注意です。 ここでは、ポリウレタン製の合成皮革の件ですね。

また、この現象の殆どは加水分解と呼ばれる現象で、文字通り、水分子のうちHが、PU樹脂と化学反応をお越し、次第にPU樹脂が分解されていくという化学的な現象(特性)です。 濡れぞうきんでのお手入れが、劣化を促進させてしまうこともあるので、お客様に過去のメンテナンス方法が正しいか確認の為、良くきいておいてください。

1-2年でベトベト、ボロボロに変化するというのは、弊社の国産家具用合成皮革では、非常に考えにくく、申し訳ありませんが、問題のある合成皮革は家具用ではない、財布や手帳、靴に使われる物、もしくは海外製と推測します。(座椅子は家具扱いではないので、こちらは分解しやすいタイプを使っていると思います。) ベトベト、ボロボロ現象は、海外製では極あたり前に発生します。(国産なら、違う用途向けと考えられます。) 家具業界では、約35年前に、この品質劣化がマスメディアで取り上げられ、社会的に問題になり、業界全体で販売中止にしていたのです。その間、手帳や財布や靴など、消耗品には使われ続け、多様に進化もしました。PVC樹脂と比較して質感が本革に近いので、それらの商品としては、高級資材として扱われていました。

そうしたなか、1994年にポリウレタン樹脂でとても柔らかい、しかも非常に分解しにくい、国産家具用合成皮革が開発され、弊社がソフトレザーと銘々して、再び世に出したのが、今の合成皮革=ソフトレザーの始まりです。
手帳では、樹脂の段階で1年-3年耐久、ブランドのスポーツ靴で5年耐久、家具用は10年耐久となり、家具用と多用途の価格差は3-5倍にもなります。我々が10年耐久と呼ぶものは、分解試験(ジャングル試験と呼びます)の判定基準が厳しく、家具という用途に則した計測判断をしています。今日では、弊社基準が業界基準となっています。10年耐久という商品は弊社のものは、14-15年耐久という位のもの凄いもので、他社の10年という廉価商品基準の延長で勝手に解釈している物では、化学技術のレベル差が大きく、問題提起してきました。 大手家具販売店さんが台頭してきて、海外から買い付けて其のまま売るというスタイルが増えていき、そうした大切な知識が疎かにされ、市場で非常に多くの加水分解事故が発生してしまいました。 安かろう悪かろうで、クレームなる率が低く、良しとしてきた事情もあると思いますが、次第に無視できなくなり、布のモデルへ置き換わっているようです。キチンとしたソフトレザーもこの影響で、売れなくなるという数字も出てきており、事態を重く見ています。 大手チェーンでは、合成皮革はすぐ加水分解するので、採用しないという方針があるようですが、(加水分解しないものは高いから要らない)真面な国産合成皮革を扱っているソファメーカーさんや販売店さんは、一緒にされて大変迷惑をしていると聞いています。加水分解に強い国産合成皮革は、高級品でもあるのですから。悪い安物と一緒にされては困りますね。(エクセーヌやラムースなどは高級品として知られていますが、同様に高耐久のウレタン樹脂を使っています。)

例えば、PU樹脂はPVC樹脂より軽く、ゴルフバックでは、1㎏以上の差が付きます。 PVCのゴルフバックは丈夫で長持ちですが重たいのです。 そこで、PU樹脂が多く使われます。 ゴルフバックを濡れたまま放置すると、2-3年で分解することがありますが、一応3-5年耐久樹脂が使われています。高温多湿で加水分解は促進されるので、乾拭きが大事です。今日ではゴルフは、ファッション性が重視されており、2年さえ持てば、市場で受け入れられていると判断しているようです。 家具ではそうはいきません。 価格差が、そのまま、耐久性にでます。 耐久資材である以上、1-2年での劣化は家具という特性品質から程遠く、消費者からみても大変問題です。大手家具販売チェーンが大量に販売する海外製ソファのボロボロ問題で、弊社に解析を依頼されるケースがありますが、酷いと1年耐久です。良くても5年耐久樹脂です。 それは、35年前に問題を起こして、これは家具用ではないとして市場から締め出されたものであり、プロの商売としてそうした商品が再び市場に出て、我々の正当な商品と一緒にされることに憤りさえ感じます。 ある安価販売専門の業態では、知っていて1年耐久樹脂で良いという指定をしているそうで、中国の確りした取引先さんで、日本はそれで良いのかと首をかしげている始末です。
*その軽さと耐久性の高さから、ここ数年で車や飛行機での採用が増えています。 これが本物の合成皮革です。意匠性は、家具で先行した名古屋のシンコーのソフトレザーを元に、作られていると思われます。 最先端の用途に私共の商品が研究され、こだわりがどこに必要かという開発基準のスタンダートになったと自負しています。

厄介なのが、PUレザーの製造日から劣化が始まるので、移動期間や、中間倉庫期間、家具店で在庫していた期間も含まれること。 5年耐久樹脂でも、4年落ちだと翌年に劣化がはじまるということが起こりえるのです。この怖さを知らない販売会社が多いのです。話をしていると、それを売るだけの必要な責任、知識がない。弊社の劣化はスタートしてもゆっくり劣化するのですが、弊社以外の悪い特徴は劣化が始まるとあっという間にダメになることです。 これがデータの改ざんに繋がっています。輸入合皮を堂々と販売している業者さんの試験データは、弊社試験の結果と異なり(改ざんの疑い)、商モラルの観点からデータがオカシイと報告していますが、無視されている状態です。5年経過時の強度がOKと言い切って、6年目はガタ落ち。これは問題です。

この他、ベトベトしてボロボロする場合は、手の汗の成分による分解ということが原因も多く、こちらは、全てのPUレザー=合成皮革の特徴でありリスクです。 いわゆる「特性」、生まれ持っての特徴です。 汗の成分に個人差があり、原因追求の限界がありますが、それでも普通の使用で1年程度の劣化は考えにくいのです。。

ソフトレザーのお手入れの基本は乾拭きです。 本革でもウレタン被膜をトップに使用している場合は、乾拭き以外はしてはいけないメンテナンス方法です。 また、合成皮革は湿気の多い環境では、使用が勧められません。 ソフトな分、デリケート。 イスやソファを段ボール箱で保管するなら、乾燥剤をたっぷり入れて下さい。 少しは劣化対策になります。

弊社にご相談くだされば、海外へもデリバリーしていますので、安心なソファ、椅子として販売できます。 中国製の家具用で無い合成皮革との価格差は数倍というケースもありますが、本来の価格ではそんなに安いわけがない、と判断していただくことが大切です。 今のところ、中国製で弊社の社内試験を数か月分の製造ロットで連続して、加水分解テストに合格するPUレザーに出会っていません。 弊社は名古屋のシンコーで、ソフトレザー加水分解問題の唯一の理解者です。 名古屋のシンコーの商品かが、安全安心の目安です。確認してください。 出元が名古屋のシンコーならOKです。

 種類樹脂家具用タイプ変化
 レザー PVC
ポリ塩化ビニル
通称 塩ビ
 軟質塩化ビニル熱を掛けると、軟らかくなり伸びて、冷えると縮んで硬くなります。日本では、寒冷地でも温暖地でも形而変化に耐えられるように、特殊配合しています。また、使用中に 油分やアルコール類を長期間接触していると硬化します。日本製は、一般使用で使える程度の基本物性は対策済みで、極端にこれが問題とはなりません。 このほか、耐アルコール仕様や耐油仕様で可也改善。 海外品は標準で、特性に対する対策がない、(安ければ良いという考えで、必要性もない)ため、安価ですが、当然問題が多いです。 極度な円高を除き、同じ配合であれば、日本と海外製と価格差が出にくいので、安い=何かをギブアップしていると思って良いと思います。 数多くの比較テストの結果もそう出ております。クレームを起こす位なら、先に相談してください。
 合成皮革 PU
ポリウレタン*ソファ向けの柔らかいタイプをソフトレザーと呼びます。
*ソフトレザーの名付け親は弊社です。
 家具調は高耐久10年以上ジャングル試験で物性維持80%以上
及び、急激な物性変化がないこと
 軟らかく、肌の様な風合いが出せるため、疑似皮革の材料として多岐に使用されている。 但し、樹脂が劣化するスピードが速い。 この為、重合度や原料の種類により、耐久性(=コスト)を換えて、用途に応じた仕様をされる、プロフェッショナルな資材。 家具用は、耐久が必要で製造がきわめて難しく、流通している中で、日本製以外では、物性基準を合格している合成皮革は、当社で確認できていません。(2012年9月現在) 汗の成分は、加水分解以外の化学反応で、同様にボロボロになる要因でもあります。
 本革 動物皮革
Genuine Leather
 各種 牛、豚、鹿類等 動物由来 素肌のような仕上げは、爪を立てただけでキズになるので、最高級品。日本では、工業製品として要求されるため、生前の傷かくしと、使用中に傷がつかない様に、アクリル樹脂やウレタン樹脂で顔料膜や塗膜(トップコート)が施されるものが大半です。大量消費型の樹脂膜商品といっていいでしょう。
この塗膜が剥がれると、繊維層に近くなり劣化します。 ダニもつくため、長く使用するならば、メンテナンスはレザーや合成皮革より頻度高く、丁寧に行う必要があります。

*加水分解は、特性であり、止めることが出来ません。スポンジがボロボロになるように、ボロボロになります。 修理も不可能です。張替えが必要です。
国産でも、手帳用や靴用の安価なタイプでは、家具では無理です。価格と耐久性は、イコールと考えて良いと思います。 弊社の高耐久のソフトレザータイプは、世界一安いと言われていますので、価格が安いというのは化学的に問題あると疑ってかかることが大切です。 椅子用途は、高度な化学レベル、管理体制が要求される商材です。
解答者:矢追社長

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