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長年にわたり高野口でパイル地を使用した椅子張用モケットの製造に従事されている〈株式会社 野手〉さん。シンコーの椅子張用モケットも先代の時代より開発・製造に携わり、企画の段階から手を組み吟味しながら新商品の開発を進めたりする親密な関係を築いている。二代目になる代表取締役社長の芋生孝詞さんにお話を伺った。

高野口で創業50年以上の歴史をもっておられる御社の創世記のお話をお聞きできますか? 

昭和33年に父である先代社長が会社を設立し、今年で創業58年をむかえる椅子張用モケットの製造メーカーになります。創業以来ずっと一貫して椅子張用モケットを作り続けてきました。最近では東海地域を中心に全国展開が目覚ましい某珈琲店さんに使っていただいている椅子張用モケットなんかが身近でよく見かける代表作ですかね。

 

某珈琲店さんとは、あの赤いモケットの椅子が印象的なお店さんですね!

そうです。あの赤いモケットは、けっこう長く採用していただいているロングセラーの商品になりますね。

あとは、トラックの内装などの装飾でとても華やかに使って頂いております。

若い頃の父ですが大阪での就職も考えていたようでしたが、やはり地元で働きたいと考え、当時既に盛んだった織物産業に興味を持ちました。始めのうちは、他社の織物会社で一度働きノウハウを学んでいったようです。その後自分で会社を立ち上げ、椅子張用モケットの製造をスタートさせました。二人の幼なじみも織子職人として働いてもらっていて、ここ最近迄現役で活躍し続けてくださっていました。独自の織の技術を身につけたすばらしい織子さんでした。

父自身も織機の改良なども手がけるメカニックな一面をもっており、自社製品の開発に成果を上げていたようです。

そういえば創業された頃というと、アクリル合成繊維が普及し始める少し前になりますね?

創業後暫くして、アクリル合成繊維が普及し始め、その波に乗ってうちも新しい素材を使って新しい商品を開発してゆくようになりました。父が改良した織機で織った「アストラカン」という生地が大ヒットしたそうで、作ったそばから売れてゆく商品になったそうです。シンコーさんも、出来上がりほやほやの生地をトラック横付けで受け取っては出荷するのを繰り返していたとおっしゃっていた伝説の時期ですね。モケットなら何色でもとにかく売れた時期だったとのこと。

何色でも、ですか?!

とにかく売れまくった時期だったんですよ。パイル織物産業が伸び盛りで、機械も朝から夜遅くまで休みなくフル稼働し、町中どこかで織機の音が響く活気溢れた時代だったそうです。

 

町も織物産業に押されて賑わったのでしょうね。

今はもう名残も少ないですが、職人さん相手に深夜営業している飲食店なども沢山あって、今よりもずっと活気のある町だったそうです。

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