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プロの目Q&A

Q2 超撥水、撥水、なんとか加工って、水や油ハジク機能

Q2 超撥水、撥水、なんとか加工って、水や油ハジク機能


質問例: 超撥水、撥水、なんとか加工という水や油をはじく加工は、価格差が激しいんですが、何がちがうのですか? 機能差は? どれくらい長く持つの?

Answer: 答え辛い質問ですね。撥水加工をブランド化しているブランドメーカーさんに怒られてしまう解答になりそうです。 実は、値段差の殆どは、ブランド料(広告宣伝費)です。 ブランド名のある撥水も後加工でする撥水も、個人的には大差ないと思います。 その理由を一言でいうと、どちらも摩耗で取れてしまう。 汚れると、その機能は消えてしまう。 普通、目に見えないくらいの一本一本の細い繊維が抜けていきますが(太陽光でみえる、空気中に浮いているあれもその一つ)、抜けると表面から撥水樹脂が取れていきます。お客様の撥水の要望に応えるのが務めということも理解できますが、対して差が無い物を、mあたり、500円も1000円も近くも高くする必要はないと思いますが。
我々資材屋としては普通に”撥水加工お願いします”という発注の仕方で良いんじゃないかと思います。心配なら、強めのってリクエストで。 撥水は、普通の使い方で1年持ちません。 未使用の初期状態で、水をはじく差は確認できても、2-3週間で差はなくなっていると思います。 耐久資材の家具用(5年や10年)に限定すれば、価格差と性能差(特に長期間も保つのか?)に、差がつくのかどうか。初期の撥水力の差程度の価格差とは思えません。 撥水が過度に評価されているというか、期待されてしまっていることが問題です。 ですから、予め撥水機能付きというサンプル帳商品は、加工する輸送費が掛かっていない分安いので、そちらを選ぶことが懸命ではないでしょうか。
世の中の商品を見てると撥水と言いながら撥水していないような明らかな機能差が激しい例があるのも事実ですが。その分、撥水加工のブランド指定すると高い分安心?っていう心理でしょうね。 それでも、ブランドを前面に押し出して撥水加工を勧めることは、プロの資材屋にあるまじき行為だと思います。なぜなら、椅子の場合は、座っている摩擦が激しいので、取れてしまう可能性が高いからです。 鉄にコーティングするのと、レベルが違いすぎる。
一応ブランドには、5回洗濯して、70%以上の撥水でないと認めないとか、布代より高い高性能な特殊撥水であれば、20回洗濯して、70%以上とか条件を付けてるのは事実ですけど、実際に洗濯しないで工場から出荷するので、撥水加工をする機械の条件設定を規定の通りにするっていう言い方が正しいのでしょう。 我々の加工所であれば、普通にフッ素樹脂を塗布すれば、基準目安の5回洗濯して70%以上の撥水機能はでます。フッ素は、熱を掛けると又綺麗に分子が並び直す特徴があり、アイロンすると撥水機能が戻りやすいんですよね。 洗濯して熱乾燥(テンターによる工業乾燥)させれば、5回分くらいは何とかなる。
昔は、フッ素の溶液を販売している化学メーカーの名称で、スコッチガード加工とかAG加工(旭硝子)とか名称を使って売りやすくしたことも有りましたが、今は、フッ素は車の窓ガラスにも使うほど、特別ではないので、あまり聞かなくなりました。一方で、加工所の名前が付いたような物もありますね。これは、そこの機械設定が最適だという意味でしょう。 どちらにしても、フッ素加工ですから。
これらの機能、モット明確にいうと、フッ素樹脂をつけてるだけなんです。要するにフッ素加工です。シリコンでも撥水できますが、フッ素の方が工場での扱いが多いのでフッ素加工でしょう。
布をフッ素溶液に潜らせる方法と、ローラーで塗布する方法、布によってどちらの加工が適当かということも起こりえますが、椅子の場合は、表面だけに必要なので、どちらの加工でも差は殆ど出ません。
撥水と超撥水の定義は良くわかりません。そもそも、家具用表面材の業界にはそんな定義はありません。 機能は、初期の撥水であって、使用条件は洗濯ということですから、元々雨ガッパ用のテストでしょう。 どうして椅子に、撥水がいるのか?取れちゃうのに!というのが本音です。
椅子とかソファは摩耗するので、結構、速く取れます。 これが真実じゃないですか。 初期撥水という効果があり、つまり、製造時や納入時に汚れないという考えで、その機能を申し訳ない程度でつける。 そういう内部事情で使うのが本来の目的かも。事実、弱撥水といって、一回の摩擦で取れてしまうスプレー程度の撥水をすることは当たり前にあります。(弱撥水の定義は、加工中に取れるよっていう、裁断・縫製・張りの加工中の汚れ防止)
また、布にバックコーティングするなどの特殊加工するときに、全面に染み込まないように、弱撥水をして精度を上げることは普通に行われています。(こういう細かい気遣いが、日本人技術者の魂ですね。)
弱くなったら、アイロンかける。 此れで多少長持ちします。
撥水は表面被膜になって布に着きます。 膜にムラがあると水が乾燥した後に、輪じみができることもあります。 布の良さは、濡れること、湿気をとることですから、そちらの商品特性の良さを理解しつかうことが大切です。私個人の椅子やソファには、絶対しない加工ですね。 プロである私の家にある椅子、ソファに一度もしたことありません。 (嫌いなだけ?かも。)
フッ素は非常に安定したもので、人体に影響はありません。 フッ素入りの歯磨き粉が、その代表例です。
タダ、安定しすぎて、環境中では分解しにくいという屁理屈で、環境に良くないという説がありますが、アメリカでは水道水にフッ素を混ぜて、虫歯予防を国家で行っています。歯磨き粉にも入っている時代ですね。
弊社のプロパー商品では、老健施設向けに加工をしています。 この場合、洗える機能で裏側に、フィルムを貼りフッ素が落ちても、染み込まない二重の安心設計になっています。
なんでも環境悪というのが好きが人がいて(スポンサーがつく?)、フッ素も一応、その一つです。 塩素を燃やすとダイオキシンがでるとか真面らしい化学をタテに、環境悪って。 じゃあ、魚や肉を焼いたら、その中の塩分がダイオキシンになって体内に入ってるじゃない、生きてる限り入り続けてるじゃない?ということを忘れ、塩ビ製品は悪だ!って、言いまくったテレビや環境団体いましたっよね、どこいったんですかね、彼ら。 まだ、それを信じて、ISO14000に塩ビを使いませんって、真顔でいっている会社もうじゃうじゃある。 一体、何食べてるんでしょうね? 話しが、それましたが。いい加減な事が多すぎです。

あれこれいっても、お客様のご要望においては、各種撥水加工を後加工でも承っております。パイルが無ければ、殆どのモノで後加工できます。 布によっては、フッ素加工により、色が多少変化する(濃淡)ことが在りますが、ご了承ください。 数量が少ないと、ロスが大きく、機能も安定しません。 運賃も掛かりますので、単価が高くなること、ご了承ください。

シンコーのプライベートブランド イズライフでは、W strade加工という撥水加工をしています。 5回洗濯で撥水率70%以上を基準にした撥水機能で、加工所や加工樹脂を特定しません。 機能基準が大事だからです。

解答者:矢追社長

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