Q17 海外のPVC、まだ問題が起きますが、技術はあがっていないのですか?
質問例: チェーン店で使用するボックス椅子に、以前、御社の偽物をアジアで作っているPVC関係者から購入し、使用したところ、1年で伸びきったり、カチカチになったりで、全部取り替えて数千万の保証問題になりました。 当時は色々反省し、今では関係者もいなくなりましたが、再度コストダウンで海外PVCを検討しています。 実態はどうなのでしょうか。
Answer: 確かに、アジア諸国に行くと、弊社のサンプル帳やサンプルが持ち込まれ、偽物が作られて現地のKFC等のチェーン店や飲食店で使用されているのを多く確認しています。 私の事をPVCマスターとかPVCの先生といって、サインを求められる時もあります。 偽物作られて、憤っているところに、サインくださいは無いだろうと思いますが。 それが、彼らのメンタリティーです。 さすがに、そういう偽レザーの国内流通は壊滅しましたが、一部はチェーン店さんのボロボロになった椅子で確認しています。 取り扱った業者さんたちの信用は可也落ちました。 読んでいらっしゃる方の中で、ああ、あそこのあれね、と、幾らでも思い当たる話がいくつもあると思います。 弊社もかなりの数の相談にも乗りましたし、今現在でも、お客様や使用している店舗様から、各国で作られたPVCが持ち込まれ、弊社の分光器で中身の分析や物性テストをしています。 総じて、ロット毎や部位によって、中身のバラつきが大きいので、良い時もあれば悪い時もあると感じています。 悪い時があれば、それは、やはり粗悪品だと言えます。 各国のメーカー各社さんも、各国間で競争が激しい為、中には良い物を作ろうと努力されている工場も有りますが、そうしたケースは、車向けに同じ物を数十万m作り続けるような工場であり、小ロットで要求される家具マーケットと違うのが実態です。 最近では3000m以下で作る工場も出ているようですが、1万5000m前後を一気につくる様に指示しないと、指定した中身で製造することは難しく、安定はしないでしょう。
化学知識のレベルや技術の問題もあるのですが、それ以前のビジネスの考え方や商モラルの違いではないでしょうか。 すぐ、材料を誤魔化す、発泡倍率を変える、不良品にトップ層を一枚追加して誤魔化す、儲けを考えることが何よりも優先で、基準に満たしていなくてあたり前です。 また、現地の消費者の声も弱い。 一年でボロボロになっても、こんなもんだと諦めてしまう。 良い物を知らないのです。 弊社のオールマイティーを使って、どんな事故があったでしょうか? 日本の方は、違いを体験で知っていますよね。 何倍も長く使えるレザーには、それだけの根拠が入っています。 海外他社の商品で満足したとも聞いていません。 何年も使うのが日本ですから、究極の満足度は、色柄にはなく、気が付くと張替えまで長く使えているねという有難味が最終満足の大半です。 但し、商品命の短い雑貨ならバリバリになったり、直ぐに切れてもクレームにならないと判断されているようですので、そういう用途であれば椅子基準に拘る必要はないかもしれません。
解答者: 矢追社長