Q10 未使用の不織布、スパンボンドが、開反すると綿みたいになっていた
質問例: 10年前に購入したスパンボンドが、広げると綿のようになっていた。 元々不良品だったのではないか? 如何してこんな事が起きるのか?
Answer: ご質問の件は、スパンボンド、ニーパン等の不織布全体に共通することです。問題の商品は、使い捨てカイロ、布巾、ナプキン、マスクなどの使い捨てに使われるのと同じ不織布だということを念頭に置いて聞いてください。 これらの不織布は、ワタを振動させながら均一に伸ばし、針でたたくか、水を噴射して、短い繊維を絡めてシート状にします。スパンとは、短繊維の英語です。短い繊維といっても、その中で長い物、短い物があります。 長いとからめやすく、短いとからめにくい。 さらに化学繊維の時代ですから、表面が滑る。 そこで、仕上げにボンドで固めるわけです。 ボンドは、ウレタン系やアクリル系などあり、対象の繊維との相性や加工性、価格で使いわけしています。織物や編み物と違って、撚りをかけた繊維ではないので、元々弱いのですが、大量生産でき、工程がすくないので安価なのです。つまり、その特性が、耐久資材とは言い難いわけです。 10年も持たせるのは、保管状況だけの問題ではなく、明らかな経年劣化です。 ボンド成分が分解され、ワタに戻ったと解釈すべきです。 イスでは、裏張りに使用されていますが、これも同様にボロボロ、劣化していきます。
解答者: 矢追社長