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プロの目Q&A

Q19  レザーの特徴について、ホームページ毎に違うことを言っています。

Q19  レザーの特徴について、ホームページ毎に違うことを言っています。


Answer:  インターネットの情報の困ったところは、主観で話されていたり、その椅子に使われる資材についてだけ述べているのに、あたかもそれが全ての様に表現されていたり、誤解を招きやすくしていたり。 化学的・技術的にも、科学的でなかったり、ありもしない事を真実の様に語られているページの閲覧がどういうわけか多く、検索エンジンで上位にくるのを見ていると、インターネットは真実性よりも、商売性の方が優先されるという意識で見なくてはなりません。 椅子には関係ありませんが、例えば、特別な水だと称する宣伝では、その水は、水の分子が普通の水より小さいので、云々、云々、効果があると。 水の分子に大きいも小さいもないことは判りそうなものですが、多くのホームページで、同じような効果をうたっていると、そういうこともあるのかなと信じてしまう。 (たぶん出元は一緒でしょうけれども)  化学的に何をいっているの?といいたくなるし、間違った表現が多くのページでされているなと思います。 我々のレザーでも、いくつか特徴に誤った見方があるので、一部だけですが、取り上げてみましょう。

こんな文章があります。 ”PVCレザーはPUレザーより耐久性に劣る。” これはおかしいですね。 ”PVCレザーは、PUレザーより固い” これもおかしいですね。 ”PVCレザーは汚れにくい” これはどういうことでしょうね。

PVCがPUに劣ることはありません。 海外から輸入してくるソファーに張られているPUレザーでは、中間層の発泡体が不均一で整っておらず、ピ ンホール(針を刺した程度の穴)ができやすくて、そこから短期間で、めくれていきやすいのを確認しています。 国産のPVCレザーに比べたら、明らかに物性面で劣ります。 海外製のPVCでは、硬化したりひび割れしたり、通常の使い方でも一年程度でダラダラになることが多い。 海外製のPUレザーと海外製のPVCレザーで比べたら、もしかしたらPUレザーが強いという表現でいいのかも、と言いたいのでしょうか。 それでも、たいていの海外製PUレザーは、わずか5年耐久で加水分解に強いとうたわれているようですし、事故の多いPUレザーは3年耐久程度の物もあり、家具用ではまがい物だと思っています。 中にクッション材として使われているウレタンのへたりが早いと感じている人が多いと思いますが、 あらゆる面で、日本規格でいう耐久性を考慮していません。 某有名コーヒーチェーンのソファは見た目は立派ですが、すわると、ヘタってるの多いですよね。。。。 ちゃんとした日本製のソファは、その程度の使用でヘタリません。 椅子を知っている人が選んでいると思えません。

弊社の椅子の中には30年以上使って、一度も張替えていないPVCが沢山ありますし、彼方此方の工場の事務所で使われている、昔からあるグレーの椅子は、ポールと座面こそガタガタであっても、レザーが傷んでいないものを幾つも見ています。 (中のウレタンも薄いのでヘタリもない) 勿論、PUでも高耐久や強度の強いものを作れます。 例えば、弊社のティエッサというPUレザーは、オフィスや業務向けに特化して作っており、プロでもPVCと見分けが付かない固さと、PVCレザーよりも強い耐摩耗性を持ち合わせいます。 普通のPUレザーだと、椅子がデスクに当たる衝撃で破れるケースがあり、この点でPVCの方が強い思い込まれて来ましたが、ティエッサという商品で解決しています。 課題さえ頂けば、それを解決したPUやPVCを作ることが出来るのです。 *価格はPU樹脂の原材料や加工の手間などから、同じ規格ならPVCレザーより安くなることはありません。

PVCレザーはPUレザーより固いというのも間違っています。  例えば、弊社のハイラルゴというPVCレザーの商品では、PUレザーとそん色なく柔らかく、PUレザーよりも扱いやすいと好評です。 また、ポリカーボネートは弾丸をはねかえす硬度と固さがあり、要人の車の窓などに使われていますが、PUレザーを丈夫に作ろうとすると、ポリカーボネート系の樹脂をPUに重合させる必要があるので、仕上がりがかなり固くなるのです。 弊社のPUレザー(ソフトレザー)は、こうした固くなる樹脂を混ぜながらも、とても柔らかく作るのに圧倒的な技術と工夫があり、スーパーソフトレザー、またはソフトレザーという名前を弊社が命名した位です。 他社の輸入するだけの商品では、耐久性を犠牲にして、工夫無く柔らかくしている”物まね”商品なので耐久性に乏しいわけです。 PU樹脂でも硬化させることはできる、つまり 、固さはコントロールしているのです。 PVC樹脂も元々はカチカチ。 水の配管にも使われているPVCパイプが本来のPVC樹脂そのものと言っていい。 相当固いですよね。 そのPVC樹脂を椅子用のレザーにするのに、強度や耐久性、用途などを考えて固さをコントロールしているです。

PVCが汚れにくいというのも間違っています。 椅子に張ったテキスタイルでは拭き取りは難しいですが、PVCは汚れを拭き取ることが可能という表現の方が正しいかもしれません。 物質ですから、同じように汚れます。 また、汚れが目立ちにくい工夫もしています。 適当なPVCレザーでは、コピーした紙の文字が移ってしまいますが、弊社のPVCレザーでは、そう成りにくく作ってあります。 この点でも、海外製と異なる細かい気遣いを積み重ねていることが証明されています。 結局、シンコーのレザーに戻ってくるわ、という、一度や二度、海外レザーに手をだしたお客さんの声が多いのはこのためです。

総合サンプル帳のレザーは、様々な使われ方や、椅子の形状を考慮して作っているので、固い柔らかいという違いがあるのかもしれませんが、 ブランドの椅子に別注で作っているレザーは、それぞれの要望に対して、工夫を重ねて作っていますので、耐久性や固さや汚れ対策など、一つ一つ、お客様のご要望に応えて作っています。 ご要望に応じて変化させているのです。

ソファには、PUレザーをおすすめし、飲食や業務用にはPVCレザーをお奨めしています。

ソファは長時間座り、何よりも肌が触れる機会が多い。 また、容が椅子よりも柔らかいデザインですから、そのデザインを壊さないものが望ましい。 タッチが良くて、冷たくない素材という点でPUレザーが良い。

飲食や業務用では、常にお客さんが回転して、さっと一拭きで気になる食べかすなどが取り除く必要があります。 また、水をこぼしても、拭き取れば冷たさが残ることもありません。 PUレザーでは乾くまで時間を要します。 抗菌、ステイン防止(お子様向けのレザーにはケチャップやカレーの汚れに強い防汚加工をします)、多色プリントなど店にあった雰囲気も容易にだせ、コストも安く済むので、PVCレザーをお奨めしています。

本革も弊社では扱っていますし、もっと販売したいと思いますが、日本の風土や気候、日本人気質には向いていないとつくづく思います。 実際の消費者は、天然のキズ(生きているときに虫に刺された、寝転がっているときに石ころでキズがついた等、生き物だから当たり前にあるもの)が許せないという例ばかりです。 前もって説明しても納入後に、これはキズだ!かえろ!割り引け!という話だらけでなのが現実です。 そこで、椅子用には、顔料と樹脂で固めて型を押した本革の上は塗膜で覆われたタイプの本革が流通の主となっています。 しかし、それなら、樹脂のPVCとPUレザーと変わらないじゃないの?というのが我々の本音であり、商品によっては、すでに本革を超えていると思うのです。

解答者: IDC(株)

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