Q26 傷がつきにくく、7年間も耐えるというオリジナル合皮を使ったソファを紹介されましたが、そういう合皮が日本で手に入るのでしょうか。
Answer: 合成皮革の技術は日本が世界一だと自負しています。 私どもでは、家具に耐えうる素材しか提供していませんので、実際には、日本製は耐久性が高く、当たり前に良いものになります。 合成皮革は、ポリウレタン樹脂を使用したレザーの総称で、弊社ではスーパーソフトレザーという括りで、他のPVC製などのレザー類と区別しています。 ポリウレタン樹脂は、水分と交わることで分解していきます。 ウレタンのヘタリ、というのは皆さんが判る劣化現象だと思いますが、この分解現象も要因の一つで、全てのウレタン素材が持つ短所です。 水分ですから、毎年の季節にある高温多湿の日本では水分の影響が多く、”海外でオッケー”のレベルでは、とても日本市場で使い物になりません。 我々に寄せられるクレーム情報の分析では、海外製で耐久5年とうたうものは全く無理で、1-3年で表面がめくれる、爪の引掻き程度でめくれ上がります。 家具用では元々販売してはダメという業界ルールでしたが、輸入ソファの大手販売は日本の資材業界を通していないので、ソファという完成品として大量に日本市場に売られ、大量のクレームや事故相談が弊社に寄せられました。 その後、7-8年耐久とうたう、倍の価格の物に変更したようですが、これも我々の見地では、実用で3年程度しか持ちません。 それだけ、輸入家具の謳い文句と実際の年数に差がでる程、気候レベルや流通するまでにかかる時間や条件が違うのです。 私どもでは、それらダメ合皮の4倍のコストがかかりますが、15年や20年耐久がポリウレタン系の最高レベルであり、家具用で使用できる唯一の製造基準であると考えています。 それだけ耐久する設計でつくられる合皮であっても、販売基準では、製造から在庫、流通までの期間を考慮して10年耐久として歌うのが正しいと思います。 7-8年とうたうような代物は、この、流通時間が考慮されていません。 また、輸出中に海上のコンテナの中で蒸されて耐久性が落ちることすら考慮されていません。 国内で使用するポリウレタン合皮(スーパーソフトレザー)は、国内製であり、かつ国内でソファに加工されたものだけが現在、家具として使用されるべきだと考えています。 販売側の安く提供する、経常利益を他社より多く確保するという考え方と反するような話に聞こえると誤解が出ますが、そうではなく、ロングライフ(長く使える)を安く売って初めて本当の安いですので、その内に当たり前の良いものしか売れなくなると考えています。
IDC(株)