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Q29 なぜシンコーブランドのレザーはクレームが少ないのか。

Q29 なぜシンコーブランドのレザーはクレームが少ないのか。


Answer: 海外のPVCや合成皮革との大きな違いは、問題の把握と改良を重ねる進歩です。 例えば、オールマイティーなどは、何十年か前の配合とは別物です。 そんな古い知識では、これだけクレームゼロのレザーにはなりません。

例えば、レザーの発泡層が切れている事例を、営業マンが見つけ、名古屋のシンコーの開発本部に報告する。 開発本部は、同様の事例を探し、様々なケースを分析する。 大きな原因となる要素から潰していき、切れない配合を求めて研究開発する。

改良の結果、キャスター付きの椅子から席を立ち、椅子を収める際、デスクに転がしてしまう人がいるとして、デスクにレザー部分がガツンと当たる衝撃で、レザーの発泡層が切れない、痛まない。

実際に日本で発生してきた数十年に渡る問題を、その数十年、平行して改良している。 世界のPVCと本質的な良さの異なる日本独自のPVCに発展し、そのPVCレザーこそが、シンコーのレザーとして認知されているのです。 織物でもそうですが、柄が良い、値段が高い、そういう類の良さではなく、本質的に椅子の資材として丈夫であるか、同じデザインモチーフでもさらに丈夫な糸や組織で表現する、汚れが目立たないカラートーンに作り込むことが第一としています。 綺麗であれば良い、儲かれば良い、その姿勢では商売は続きません。 本質的に良いを突き詰めた開発姿勢で、良い商品で喜んで貰い、そのお駄賃として利益を上げさせていただく、それだけです。 今も、赤外線分光試験機や、有機をアナログで作り込んだり、デジタルシミュレーションを駆使して、新しい配合を求め、今日生まれる問題に取り組む、明日のもっと良い、を研究しています。

IDC㈱&シンコー㈱

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