A. レザーは、英語のLeather のカタカナ表記、外来語です。 英語では、区別するために 本革を Genuine Leather / ジェニュインレザー 、石油由来(化学的、人的)をSynthetic Leather / シンセティックレザーと呼びます。 ですから、レザーという言葉をつかえないなどの話は、JISの対象商品に限ったものであり、レザーというカタカナ表記を否定したり、日本語の文化に対して否定をしていると考えられません。 30年以上も前から、○○レザーという商標登録を試みても、レザーはふつうに受け入れられているので商標登録できませんという見解で拒否判定がされています。 レザーは、カタカナ語として、ふつうに言えますし、カタカナ語として私どもは使い続けます。 このように書くのは自由であり、カタカナ語を使う権利がありますから、余計に心配する必要はないと考えます。
シンコーは、レザーの会社というイメージの通り、50年以上も前からレザー商品を扱っております。 最初は硝化綿レザーという疑似皮革からスタートしました。 その後、PVC製のシートに金巾を貼ったものがレザーと呼ばれ、折りたたみ椅子や丸いスタッキング椅子に使われるようになります。 昭和の時代、それらが薄くてかたいために、使用していると硬化して切れたりして、ガムテープで切れた部分をべたべたに貼って使用していた風景が懐かしいものです。 そして、PVCの発泡体(スポンジ層)が開発され、従来品の疑似皮革というイメージを一新し、急速に普及します。 これまでの”本革”の疑似皮革とまた違う、スポンジレザーの開発によって、ソフトタッチでありながら、切れにくい、破れにくい、固くなりにくいなど、高級な本革の次の選択肢としてレザーという位置づけがされています。 その昔、家具業界では、金華山などの派手なパイル織物が大人気で、革を使用した椅子やソファを”本革”という名称で、それ以上の高級品として位置づけて差別化し、いまも本革の椅子やソファは高級品としてのイメージが定着し成功しています。 本革、レザー、金華山 という差別化グループ、すみわけとして定着しており、極々一般に愛用されてきました。 近年では、皮革も織物も、製造の一部、または全部で海外の手を借りないと、供給できない背景があり、レザーにおいても、最終製品が海外で作られるグローバリジェーションの流れを受けています。 シンセティックレザーという部類の国産レザーの益々の発展に、水を差すような話にならぬよう、業界関係者一同、自動車業用および家具用のレザー開発に、一層の努力を注いでいく所存であります。
普通は、シンセティックレザーを略して、レザーと呼んでいます。 弊社の社員でも、シンセティックレザーって?という位、シンセティックレザーというフルネームは使っていません。
上記の通り、 私どもだけではなく、製造から卸、家具製造業まで 長い間、”レザー”を、通称として使用し、現在も愛称として定着しております。 レザーというカタカナ語は、会社名としても、またレザー業界という業界名としても広く使われており、それらの会社もレザー業界も無くなっていません。 今も国内製造が残れている大要因の自動車業界でも、製造段階では、革張りとレザー張りと呼んで区別しており、レザーという言葉を使うなという話にもなっていません。 JIS規格自体が違うので当然です。 カタカナ語として定着しているので、文化的にも法的にも対応できる体制です。 イタリア語では本革をペッレと言いますが、これまでレザー業界で、イタリア語を使ったこともありませんので、イタリアで本革と石油由来のペッレがどう使いわけられようが、ドイツでどう使われようが、国内産業の我々には全く関わりのない話です。 我々のレザー業界は、英語のカタカナ語として、また日本語として認知されているレザーを使い続けますし、我々の業界のJIS規格でレザーと表記しているとおり、そのまま使い続けます。 今後もシンセティックレザーを英語のカタカナ語として略してレザーと呼び続けます。 また、こちらのJIS規格で、ウレタン張りやピグメントで覆われた革の呼び名を規制するつもりもありません。
表面の石油由来(プラスチック)部分が、PVC主体の場合、PVCレザーや塩化ビニルレザー、又、通称でレザーと呼びます。
表面の石油由来(プラスチック)部分が、PU主体の場合、PUレザー又は、合成皮革と言います。
PUは合成するのですが、PVCは合成していませんので、我々の業界ではそう区別しています。 人工皮革は、プラスチック繊維にウレタンを含侵させたスエード調のものを言います。
尚、PVCは塩素が60%以上も含むプラスチックですので、プラスチックの中でも石油由来の少ない、海水や岩塩由来の環境にやさしいプラスチックです。
皮革では、表面にプラスチックを使っていても、名称が変わらないので、我々の業界したら大変にややこしい。 例えば、革床に、ウレタンフィルムを貼ったスピリットレザーは、我々の合皮でいうところの、”基布”が繊維か、皮由来かの違いですが、革だとなります。 ノックダウン家具の海外大手SPAで本革と明記されていて、後から表皮が分解するので驚かれて、弊社に相談されるケースもあります。 本革でも、表面は石油由来のポリウレタンやアクリル樹脂、顔料を使用していますが、その違いを名称で表していませんから、いったい何を信じていいのやら。
弊社のサンプル帳では、早くから、PVCーRoHS や PUと明記しておりますので、非常にわかりやすく表記されております。