プロの目Q&A

Q30  欧米で、次亜塩素酸消毒は一般的ですか?

Q30  欧米で、次亜塩素酸消毒は一般的ですか?


Answer: 勿論です。 名称が違うのでお気づきになられないようですが、次亜塩素酸とは、塩素系漂白剤のことです。 ヨーロッパ、アメリカ、アジア、オセアニア、アフリカ、世界中において、医療現場の除菌として使われていますし、当然、キッチンの除菌として、トイレの除菌として、また、ベビーや医療用衣料品の除菌として、昔から広く使われています。 感染症防止で、プールには確実に入っていますし、日本では銭湯や温泉でもレジオネラ菌の問題もあり、濃度(0.2~0.4ppm)の次亜塩素酸を加えることが推奨されています。 たまに濃度を測りに来ています。 オムツが使い捨てでない時代で育った人は、桶に漂白剤をいれて、おしめを浸ける風景を思い出す人もいるかもしれません。 白くする作用をイメージしがちですが、これらの用途は白くすることよりも、除菌が主な目的だと考えて良いでしょう。 唯、漂白剤を手に付けた人は分かると思いますが、次亜塩素酸は、直接肌に触れると、ぬるぬるになり、手の表面に悪影響をもたらします。 従って、手には石鹸と大量の水で洗い落とし、その後でアルコール除菌をする。 器具や衣類、家具には次亜塩素酸で除菌するのが良いと思います。 今回のコロナウィルスだけの対策であれば、アルコールで死滅することが分かっていますので、全てアルコール除菌をしていただければ良いのですが、次亜塩素酸は薄めて使え、比較的手に入り易い、安価であることから、上手に使い分けをしていただければ良いと思います。

18世紀のスウェーデンやフランスの研究により発展とのことですから、世界的にもその歴史は古いようです。 日本でもハイター(登録商標)が有名なように、各国でそれぞれの登録商標で、塩素系漂白剤が販売されています。 弊社が次亜塩素酸の試験方法(公開特許公報(A) 20151008 2014057284 20140319 ビニルレザーの次亜塩素酸ナトリウム水溶液浸漬試験方法)を開発するために、沢山の国で、漂白剤の調査をしたことがありますが、濃度違いがみられるものの、化学的に同じものでした。

家具などを除菌する際に薄める方法も当然、海外でも紹介されておりますが、日本同様、平常時に自分で薄めて作る感覚はないと思います。 Youtubeで、chlorine bleach sanitizerで検索すれば、その方法が安価で作れる除菌剤として紹介されています。 ”次亜塩素酸の作り方”と検索すれば、各自治体が出していますので、日本語でも当然みることができます。 また、このQ&Aの7,15,23でも次亜塩素酸の消毒液の情報がありますので、ご参照ください。

現代の漂白剤は、大きく分けて酸素系と塩素系が販売されているため、除菌作用のある漂白剤を”次亜塩素酸”という化学寄りの名称を使い、当たり前の知識として広がることが望まれます。 消毒関連のプロ用では、漂白ではなく除菌・殺菌として流通しています。 家具用などのふき取りは濃度が濃いと、素材を痛めてしまいますが、薄めても十分な効果があるので濃度の高い物を現場で薄めて使うプロもいます。 濃度を変えるだけなので、必要時に自分で水で薄めて使えば、現場まで重たい液体を運ぶ必要がなく、しかも安価に使用できることが知られています。 通常0.1%(1,000ppm)で最大効果がでます。 嘔吐物の付着した場合がそれにあたります。 通常のメンテナンスや直接手が触れるなら、0.02%(200ppm)で十分です。

TOP