プロの目Q&A

Q38 本革、レザー(PVCやPU)にダニはつくのですか?

A アレルギーを持つ人には、大変神経質な問題であり、的確な情報が必要とされるでしょう。
アレルギーに関わる問題ですので、お答えするには、お客様が、椅子やソファの表面もコマメに掃除機をかけ、からぶきをしている前提が必要です。  埃の中にダニが多く潜んでいるケースは良く知られていて、それを除いているかいないかで、あるともないとも言い切れません。

つまり、こまめに掃除をしているという前提が必要です
レザー(PVC 塩ビ 又は PU ポリウレタン)の表面には住む場所がなく、表面につくことは考えにくいですが、お尻と背中のジョイント部分は沈んでいて、掃除が行き届きません。 そうした場所にはダニが付く可能性は否定できません。  ごく稀に、中のウレタンや綿に住んでいるダニが、ミシン目から出てくることはありえますが。

本革は、触ってキズが付かない場合、表面はレザーと同じ樹脂で覆われています。
代表的なのが、硬めのアクリル樹脂、または、ソフトなウレタン樹脂です。 その下が、顔料という色がついた物体で覆っていて、顔料の色が本革の色という具合ですから、レザーとの違いは、おおざっぱに言えば、その下の層が、織物かニットか、それとも皮を加工したベースなのかです。  ウレタン被膜であっても、加水分解しますので、これが分解したあとは、顔料むき出し、劣化のスピードはあがると考えて良いです。このタイプの本革のダニにたいしては、上記のレザーを参考にしてください。

ところが、上質な本革は、触ると吸い付くようなタッチ、毛はなくとも、牛のままの表情。 爪を立てるだけでキズが付くので、家具職人も小売店も置くのを避けたがる。 日本では、傷がつくほどに本質の良い本革であっても、すぐに、傷物扱いする傾向があり、素材として本当に良い本革ほど流通しにくい。
上質な本側は、樹脂成分が少なく、虫眼鏡でみるだけで毛穴が確認できます。 顔料と樹脂を使った本革では毛穴が樹脂で塞がれてつぶれています。  毛穴が確認できる以上、毛穴にダニが住み着くということは十分に考えられるので、本革のメンテナンス要領をよく読んでいただき、適切な管理をしてください。 適切に扱うかぎりは、心配が減ると思われます。

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