Q32 ラバンダというウール混の特徴を教えてください
A32 ウール織物は、糸の形状によって、国際的(HSコードが異なる)に大きく二つに分別されています。 呼び方は、梳毛と紡毛、梳毛織物と紡毛織物、ウーレンとウーステッド。
ラバンダは、現在、日本国内の椅子張りでは、唯一、梳毛糸を30%使ったアクリル70%混の紡績糸で織った、変形のナナコ織(基本組織の応用版)です。 糸にも、組織にも、台紙にも、特許はありません。 特許があるといったら、世界中が怒るでしょう。 これらは、古来からある製法で作られています。
梳毛紡績は、綿(細かい繊維)を櫛でとかし、まず、繊維の方向性を整えてます。 その形状から撚っていき、糸に仕上げます。 繊維の長さを活かしてしなやかに糸の方向に巻き付けるように撚糸していくので、梳毛織物は、毛が立たないのでチクチクしません。 繊維の長さを利用するので、長い繊維が必要で、固く短い繊維より高級です。 また、繊維のヨコ断面のツヤを活かせるので、鮮やかな色が際立ちます。
一方、紡毛紡績は、短い繊維、毛をつかうので、ざっくりした感じに仕上がります。 短いので、毛先が立ってしまい、肌にあたるので、特徴として、チクチクします。 長い繊維の方が高級で高いので、短いのはチクチクして仕方ありません。 半面、保温性が高いなど冬に好まれるツイードと呼ばれるジャケットなどで多く見かけます。 繊維の断面がランダムにでるので、ツヤが減り落ちつきます。 用途によってどちらの紡績方法をつかうか異なるので、同一の物という考え自体が存在しません。 スーツを仕立てると、まず最初にどちらの生地を選ぶかからスタートします。 その段階で、違いはハッキリしていています。 *触るだけで、紡績方法が異なる織物であることが明確にわかる違いがあります。
椅子用の耐久性を持たせていますので、夏に短パンなどですわるのであれば、チクチクしないラバンダを自信をもってお勧めできます。
チクチクするからウールではありません。 ラバンダはチクチクしない高級な長い繊維を使っていて、チクチクしません。