そもさんせっぱ

Q33 摩耗強度のテスト方法は何が、適しているのか教えてください。

A. 椅子の場合に限ってですが、日本に椅子張りのプロが多かった時代は、俄然 JISの中でも L1096 A-1法(平面法)=通称 平面摩耗テストがお勧めでしたし、今も弊社はJIS平面摩耗を頼りに試作をしながら、問題があれば改良して商品化しています。  なぜでしょうか? それは、このJIS L 0196法とは、あらゆるテキスタイルを想定しており、椅子に特化できていないからです。 我々の試験においては、実用に則した試験でないと、使ってよいレベルか想定さえできません。 つまり、結果の数字が実用と一致していくのが理想な訳です。 勿論、その中のE法としてマーチンデール法も載っていますので、用途に応じてどちらでも構わないという意味ですが、カーテン生地や雑貨生地と事情は大分違いますね。

平面法においては、試験片を膨らましたゴム風船の頂上を、重量を掛けた紙やすりで擦っていき、穴が開いたところで試験器が自動でとまり、その回数を表示しています。 その想定は、椅子のクッションの上で、彼方此方に動きながら、摩耗がどれ位強いかを表しています。 まさに、JISの平面法はいかにも日本らしい、実践を考えた試験方法であります。  弊社では、見地をとるために、日本と中国の工場でも、JISの他、マーチンデール法、両方の試験をしていますが、両方の試験結果の数字を対比してきたなかでの結論は、相関性はありません。 やはり椅子張りは、日本人ならではの、平面摩耗法を頼りに物作りをするのが良いと判断しています。 もちろん、マーチンデール試験機も社内にあって常に稼働していますので、どちらの要望にも応えることができます。  ちなみに、弊社の開発担当者の多くの時間は、試作の物性試験に費やされています。  Ph値を測ったり、アルコールや次亜塩素酸耐久など、標準ではない試験を開発して実用で問題がないように作っています。  物まねして安く売るような業者ではありません。

どちらの試験器も弊社内で常に動いてますので、見学希望であれば当社の営業へコンタクトしてください。

TOP