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プロの目Q&A

Q5 レザーって何を指すの?

Q5 レザーって何を指すの?


質問例: 椅子やベッド業界では、本革張りとレザー張りと合成皮革張りと色々な表記があるのですが、何がレザーで何がレザーじゃないのですか?

Answer: レザーは、資材メーカー間では、自動的にPVC=塩化ビニル樹脂で作られた疑似皮革を指します。 本物の動物由来の皮革は、本革と呼びます。 英語でも、genuine leatherと表現し、本革と其の他を明確に分けています。  ポリウレタン樹脂は、高価で劣化が激しい樹脂であり、家具用に改良するのに、膨大な化学知識の背景とそれらを実現するプラントが必要で、疑似本革としては、最高級にあたります。 実際、本革より高いのです。 ランドセルは、2012年に発売されたモノは、本革より高くなっています。 なぜ、本革より高いのか? まず、軽い。ランドセルや車の軽量化に欠かせません。 本革は元々生き物です。 個体差があり、傷もあるのですが、日本ではなぜかこの個体差が許されない市場です。 傷が本物の証拠なのですが、キズがあると売れないという変わったことが起きます。 このため、安定的なポリウレタン樹脂性レザー=合成皮革が必要とされるのです。 そして、劣化しないポリウレタンは、生成が難しく硬く仕上がります。 これを軟らかくするためには、更に加工技術が必要となり、この分野では今でも世界トップの技術なのです。 従って、海外製の合成皮革(ポリウレタン樹脂製レザー)は、耐久性に劣り、日本の市場では受け入れられないのです。 Q1には、その辺の問題も述べられていますので、参考にしてください。 人工皮革は、スエード調の布で、ウレタン樹脂を含浸させて固めたもので、ラムースやエクセーヌなど、原糸メーカーのブランドとして流通されております。 こちらも、家具用はサンドイッチ状に作られ、簡単に破れない様に設計されております。 (靴や鞄用より、かなり高耐久に仕上)

塩化ビニルは、水道管の殆どがそうであるように、丈夫で安全で安価なプラスチックです。 他のプラスチックでは、紫外線等の影響で劣化が早く始まりますが、そういう問題もないし、人体への影響もない。 又、材料の60%以上が塩由来(塩素)で、海に無尽蔵にあり、CO2も他より出さず、石油をもっとも使わない地球にやさしいプラスチックなのです。 ニュースステーションで、科学専攻の大学生でもおかしいと思う、とんでもない間違った解釈で、塩化ビニルは環境に悪いという宣伝を広げたため、大手家具メーカー(特に官庁絡み、オフィス関連等)が塩ビから他のプラスチックに変えざるえないという、報道の歴史に悲しい出来事を残しました。 また、その業界の開発部は、それに振り回される結果となり、何が本当なのかという基本的な疑問を残した開発期間を過ごしてしまいました。 しかし、今では大手メーカーが、使えない間の苦労や、結局塩化ビニルが環境に一番優しかったという経験を通して、塩化ビニルに需要が戻ってきました。 ちなみに、グリーンなんちゃらという団体が、テレビでビニールを呑みこんだイルカが死んでいる、ビニールは悪だと真面目な顔をして鬼の首をとったような報道もありましたが、あれは、英語ではプラスチックバックといって、ポリエチレン製でした。 皆さんの買い物でもらう袋に塩化ビニル製はなく、日本ではプラスチックバックをなんでもビニール袋という名称にしてしまっているので、勘違いされたという例ですが、あの袋の殆どは石油をたっぷりつかう樹脂で作られています。 レザー すなわち、塩化ビニルレザーと覚えて頂いて結構です。
解答者: 矢追社長

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