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プロの目Q&A

Q6 本革と記載があるソファで、ムケた?

Q6 本革と記載があるソファで、ムケた?


質問例: 某有名な海外チェーンで、本革と記載されている、クッションを置くスタイルのソファを買いました。 組立ていたとき、滑ってドライバーで一寸だけつつく感じになりました。 すると、フィルムの様に剥けてしまいました。 これ、本革でしょうか。 保証はあるのでしょうか?

Answer: あれですね、本革は本革なんですけれど…。 以前の調査では、総張りタイプでも、この同素材を多用して価格を安く設定していましたね。本革の材料である皮は、一般的に子供の皮がきめが細かく、軟らかく伸びがよく、生きている時の虫刺されや、擦り傷がないので高く取引されます。(虫刺されがあるような革は、すごくいいもので、良い仕上げという見方も正しい)製造工程も、それように丁寧に仕上げられますから、芸術品の域です。ブランド品独特の、あの吸い付くような革です。 その裏返しでいえば、でかくて分厚く育ってしまった皮は傷が多く、ワイルドで、安いわけです。 分厚い分、2枚や3枚にスライサーでスライスする(これをスクといいます、加工性が良くなり要望されます)と、上の層は当然本革らしい顔してますから、財布、ノート、ブーツとかベルトの表皮に使われ、一番下は安いベルトの芯材や靴の踵部分、金属を磨く研磨ベルトとか、工業用に広く使用されます。 こういう、中や下のスイた皮に、合成皮革のトップ層、つまりポリウレタンのフィルムを貼り合わせて、本革の顔を作ると、ご質問のタイプの本革が出来上がります。手が触れる表面は、合成皮革とかわりませんが、ベースが本革(の床)ですから、握った時の風合いは本革(に近い)。 表面をタッチすると合成皮革。 フィルムに色を付けてるのでロットは安定するし、傷は消えるしで、手間のかからない皮革に生まれ変わる。 皮革のメンテナンスは油を塗るなど面倒で、殆ど行われませんので、フィルム張りの方が使い勝手は良いかもしれません。
強引ですけど、一枚の皮が2-3枚の皮革に生まれるので、人口爆発や底知れぬ人の物欲に対しては、合理的な方法で枚数を増やせます。 生きている物でそれらを満たそうとすると、肉の消費を増やさないと増やせないですから。 弊社では、このタイプを扱っていません。大量消費型に使用される案件がありませんのでより本物の皮革と価格に差がでません。
フィルムが剥がれるのは、これは接着剤が足りないか、架橋不足かの接着不良が明らかですから、交換してもらってください。商品を知っている人なら、否定できない不良品の現象です。
又、実際に本革の良いもを使用していたら、材料代だけで、数十万円ですから、価格相応でこのタイプの違いを考えるべきですね。ブランドバックの本革でソファを作ったら、どれだけバックが必要(コスト高)であるか、想像できますね。 あれだけ大きいチェーンが拡大しているのに、コスト割れとかコストギリギリなんてありえませんから、本革といっても、良い物、安いものがあるということですね。 コストは販売価格より低いわけですから、残念ですが、お値段以上にはなりまえません。
解答者: IDC株式会社 調色担当スタッフ

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