Ｑ２７ OEM供給してもらっているサンプル生地張り用の台紙ですが、特定の顧客に2枚だけ黒台紙で用意して欲しいと言われました。 2部譲ってもらえませんか。
Ａ２７ 生憎、台紙2枚だけの手配ができません。 弊社でも、特定顧客OEM生地のスウォッチ・サンプルやプレゼンで、１部や５部のサンプル帳を作成して営業活動をしています。 黒台紙は、ウール素材のスーツ地では標準で使われており、手頃な厚さの紙が手に入ります。 ネットで「黒 ＋ 台紙」で検索してください。 線入りは、「マップ台紙 ＋ 黒」。 面倒であれば「スーツ生地マップ仕様見本帳」などで検索すると、後はサンプルを貼るだけのひな形の黒台紙サンプル帳さえも手に入ります。 是非、真似て下さい。
*礼服の黒を思い出してください。 同じ黒でも違いますね。 実は、黒には高級な黒と安い黒があるのです。 高級な黒は、その黒の深みや照りを出すのが難しく、多くの手間と技術が必要です。 その黒具合を確かめるのには、白台紙よりも、黒台紙がはっきり違いがわかるのです。 青みの黒、赤みの黒という表現通り、青も赤も同様に、1円の違いを見抜く、つまり良さを見るには黒が鉄則です。 一般の用途は壁が白なのが多いので、白台紙が良いでしょう。 毛織物産地の尾州で繊維関係者なら、誰もが知っている値踏みの黒台紙です。 黒台紙の意味が分からないなら、繊維関係の看板おろせというレベル、初級で教わるものです。
＊小さな生地サンプルでは、全体の色が想像しにくいです。 この為、プレゼンでは普通、白よりもコスト高な黒台紙を使います。 青と黒でいえば、どれ位黒い青なのか、どれくらい青い黒なのか、白台紙では分からないことが、黒台紙だと明確にわかります。 特に青と黒の色目が判断しにくいウールを中心に、プロフェッショナル同士のプレゼン時では黒台紙で見ることが多いでしょう。 大量に生産されるサンプル帳はコスト面から白を使うので、この場合、白台紙で貼られている生地サンプルの半分に黒い紙を置いて判断する場合もあります。 多くのデザイナーは、普通、黒い紙を置いて、白の場合と黒の場合の両方を検証しますので、白で作っても問題ではありませんが、黒台紙を使うのは、プレゼンの気遣いということになります。