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Q13 合成皮革(ウレタンレザー、非塩ビ)の変色は、NOxガスが原因?

Q13 合成皮革(ウレタンレザー、非塩ビ)の変色は、NOxガスが原因?


質問例: 御社の合皮プリマの白を長年愛用しているが、お客さんから一部がピンク色になった、これは品質問題かという問い合わせがありました。 すぐに、納品した物を確認すると、背クッションの右の側面だけ、淡くピンク色になっています。 汚れでしょうか? 染料移行でしょうか?

Answer: 現物をみると、変色部分がピンク色ですね。化学反応で色が変わったようです。 モヤモヤとして、形がありません。 染料移行の場合は、移行の元となる原因物体があるものですから、その形や、こん跡がハッキリと出ていることが多いのです。 たとえば、ジーンズやバック、革のジャンパーなどの染料が移行するときですね。ジーンズなら、太ももの跡やひざ裏の跡と思われる箇所に体重のかかり具合で色の移り具合が違う。 バックなら底の部分の形がくっきりでる、ジャケットなら、掛けた部分、ここに掛けるだろうな、当部分でシワの後まで。 お客様の相談品を見ると、移行でもなく、また、汚れでもありません。 表面というより、中も色がついているようにボヤっとしています。残る可能性は、NOxガスの反応です。 車の排気ガスにも含まれる、あたり前にあるガス、酸化窒素のガスのことです。お家の中でガス?と思うかもしれませんが、石油ストーブを含め、何かが燃焼するような環境で普通に発生しています。 移行しているので、とてもクローズな環境で、ウレタン樹脂に影響を与えたと考えます。 市場では、稀に変色が報告されますが、私が過去10年遡って弊社内のクレーム資料をみても、弊社のポリウレタン樹脂をつかった合成皮革でのNOxガスでの変色は、僅か1例ですから、これが2例目です。 実は、手品のような対処方法があるのです。 紫外線にあてると、変色部分がもとに戻るのです。 紫外線が、NOxガスの変色に関わった化学変化をひも解いてくれるのです。 太陽光に半日か1日あてて頂くと、綺麗に消えると思います。 原因は室内にあるのでしょうが、その特定まではおそらくできません。 対処方法で解決していただきたく思います。

解答者: IDC株式会社 技術担当

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